60歳からの移動戦略:車中泊用のクルマを検討する
以前、お話ししたように、これまでは節約のため、自分用のクルマは所有せず、原付や自転車で移動していました。
しかし、リタイアしたら自分のために自動車を一台買おうかと思っています。それも、ただの移動手段ではなく「車中泊」に使えるものを考えています。
どんなイメージ?
以前はキャンプも好きだったので、クルマにテントを積んでキャンプ場に行くこともありました。自然の中でテントを立てて家族で寝たり、バーベキューをしたり……屋外で寝るだけでも開放感があり、楽しかったですね。
しかし、現在はそれとはちょっと違う使い方を考えています。
- 「移動する拠点」としての活用:主に地方を旅行するのに、長期間、コストを抑えて移動する。それほど自然や野外料理にこだわらず、現地の美味しい店を巡るような旅。
- 「プチ移住」の足として:地方に期間限定で住む際の移動手段。メインの住まいは賃貸で確保しつつ、そこを拠点にさらに足を伸ばして小旅行する。特に公共交通機関が限られる地方では、クルマは「自由の翼」になります。
具体的な候補:フリードか、ソリオか
1~2名での車中泊を前提に、私が注目しているのは ホンダ フリード と スズキ ソリオ です。どちらも「大きすぎない」ことがポイントですが、特に重要視している「後部座席をフラットにする仕組み」には大きな違いがあります。
| 比較項目 | ホンダ フリード(5人乗り) | スズキ ソリオ |
|---|---|---|
| フラットの仕組み | 「床」を作るタイプ | 「ソファ」をつなぐタイプ |
| シートアレンジ | 後部座席を前に倒し、荷室のボードと連結させて平らな面を作る。 | 前後のシートを後ろに倒して連結し、ロングソファのような空間を作る。 |
| 寝心地の質 | 板張りのように真っ平ら。薄手のマットでも腰が痛くなりにくい。 | シートのクッション性があるが、特有の凸凹が残る。厚手のマットが必須。 |
| 居住性(高さ) | 寝ることに特化すれば安定感があるが、天井はやや低め。 | 室内高が非常に高く、車内での着替えや移動がスムーズ。 |
フリード(特に5人乗りモデル)は、最初から「寝る場所」としての平坦さを追求しています。一方でソリオは、まるで「動くリビング」のような開放感があり、厚手の車中泊マットを敷くことで弱点の段差をカバーする運用になります。
なぜキャンピングカーでなくてもいいか
予算が1,000万円以上あれば、豪華なキャンピングカーを検討してもいいのかもしれません。しかし、私にはいくつかの懸念があります。
- 継続性への疑問:70歳、80歳になっても、あの巨大な車体を運転し続けられるか?
- リセールの現実:中古市場があるとはいえ、中古住宅に比べればニッチな世界。リフォームが難しい「他人が生活した空間」への抵抗感を持つ買い手も少なくありません。
- 日常の使い勝手:旅の時以外、スーパーへの買い物や通院に使うには、キャンピングカーはあまりに不便です。
「一生モノ」と構えるより、普段使いの延長線上で、工夫次第で「寝泊まりもできる」普通の乗用車の方が、今の私にはフィットしているのではと考えました。
「燃費」と「維持費」:60代の家計視点
60代からの旅やクルマ生活は、現役時代よりも走行距離が伸びる傾向にあります。日々のランニングコストも無視できません。
- 燃費のフリード:ハイブリッドシステム(e:HEV)は、長距離移動や高速道路で高い燃費性能を発揮します。移動距離が増えるほど、その恩恵は大きくなります。
- 維持費のソリオ:排気量が1.2L以下のため自動車税が安く、車体が軽いため車検や消耗品(タイヤなど)のコストも抑えられます。
フリードは「走行性能と快適性への投資」、ソリオは「徹底した合理性と節約」と言えるかもしれません。
車中泊グッズの進化が「ハード」の壁を壊した
実は、高価な専用車を選ばなくてもよくなった最大の理由は、車中泊グッズの劇的な進化にあります。
- カセットガスからポータブル電源へ:以前は車内での火の扱いが心配でしたが、今は大容量のポータブル電源があれば、炊飯器やIHクッキングヒーター、電気ケトルを安全に使えます。
- 専用ヒーター不要論:冬場の防寒も、断熱マットと高性能なポータブル電源+電気毛布があれば、高額なFFヒーターを車体に埋め込む必要はありません。
- IT機器の進化:テレビなどなくてもスマホやタブレットがあれば、情報収集や娯楽に問題はありません。
テクノロジーが、普通のクルマを「動く寝室」に変えるハードルを下げてくれたのです。
年齢とともに嗜好は変化するもの
30代の頃は、野宿や自転車日本一周など、体を酷使する旅に憧れました。 しかし今は、興味のある街に中長期滞在し、その土地の空気を吸いながら生活することに惹かれています。
死ぬまでにやりたい事リストを作っている方もいますし、自分にもそういったリストでやってみたいことがいくつかあります。しかし、同時にそれは時々刻々と変化するものです。
人間は好奇心の生き物ですし、逆に飽きやすい生き物でもあります。変化し続ける自分に合ったお金の使い方を考えたいと思います。
