drambuieの日記

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iDeCoの拠出を停止する手続き:加入者資格喪失届:今回は「紙」になってしまった

iDeCoの拠出を停止する手続き:加入者資格喪失届:今回は「紙」になってしまった

60歳以降、無収入になるタイミングでiDeCoの拠出を停止することに決めました。

実は大きな誤解をしていたのですが、当初は60歳ですぐに受け取るつもりでいたのです。しかし、iDeCoを開始してからまだ10年が経過していない場合、受取開始時期が先延ばしになるという「10年ルール」の壁に直面。あえなく「60歳ですぐには受け取れない」ことが判明しました。

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手続きには2つのルートがある

iDeCoの拠出停止には、大きく分けて2つの方法があります。

  1. e-iDeCo(電子申請): マイナポータル等を利用したオンライン手続き。
  2. 証券会社経由の書面手続き: 従来通りの郵送による手続き。

できるだけスマートに済ませようと、まずはオンラインに挑戦しました。

e-iDeCoに挑戦したがエラーで断念

dc.rakuten-sec.co.jp

上記のページにあるような流れで、マイナポータルから「e-私書箱」の登録などを進めましたが、最終的にエラーでストップ。

基礎年金番号が連携できない」といった旨のメッセージが表示され、それ以上進めなくなってしまいました。 サービス時間外だったのか、あるいは特定の年金組合や状況によっても、連携できないケースがあるようです。

結局、慣れ親しんだ「紙」で

オンラインがダメなら、確実なのは紙の書類です。証券会社のホームページから「加入者資格喪失届」をダウンロードしました。

記入の際に、少し悩んだのが「喪失理由」の選択です。私のように、掛金の拠出は止めるけれど資産の運用は継続する場合、理由は「04 運用指図者になるため」を選択するのが正解のようです。

「これからは積み立てず、今ある資産の運用だけを担当します」という宣言ですね。

PDF編集はGoogleドライブ + Lumin PDFで

書類を印刷して手書きするのも良いですが、最近はペンを握る機会が減り、元々の悪筆にさらに磨きがかかってきています。

そこで今回は、PDFを直接編集して仕上げることに。Googleドライブと連携できる「Lumin PDF」を使ってみましたが、これがなかなか便利でした。

使い方は非常に簡単で、Googleドライブ上でPDFを右クリック > 「アプリで開く」 > 「Lumin PDF」を選択するだけです(初めて使う場合は「アプリを追加」から連携させます)。

  • 既存のフォーマットを崩さずにテキストを追加できる
  • フォントサイズや位置の微調整が簡単
  • クラウド保存なので管理が楽

無料版の範囲内でも、枠内への記入程度ならストレスなくこなせます。これで「読めない文字」による返送リスクも回避できそうです。

ただし、氏名だけは直筆で署名しましょう。

受け取りまでは定期預金メインで

積み立てをしているときは「全世界株式(オルカン)100%」でやっていたのですが、現在は、定期預金80% + オルカン20%に変更しています。

iDeCoの場合、月々の管理手数料がかかる関係もあり、定期預金100%だと「手数料負け」してしまう可能性もあります。 しかし、ここから受け取りまでの数年で暴落するリスクも考えると、あまり攻めることもできません。

本当はすぐに受け取りたいのですが、できない以上、このくらいの割合で維持しようと思います。iDeCoは入り口よりも「出口」の扱いが少々難しいですね。

【ほっともっと】のり弁は普通ので全く問題ない

【ほっともっと】のり弁は普通ので全く問題ない

弁当界の不動のセンター、「のり弁」。

時々無性に食べたくなりますが、最近はラインナップも増えて、注文時に一瞬迷ってしまうこともありますよね。

しかし、あえて言いたい。「のり弁はプレーンで問題ない」と。

のり弁のバリエーション

最近のほっともっとでは、のり弁も多様な進化を遂げています。

メニュー名 価格(税込) 主なおかず構成
のり弁当 480円 白身魚フライ、ちくわ天、きんぴら、たくあん
特のりタル弁当 620円 タルタルソース、から揚、白身魚フライ、メンチカツ、きんぴら、たくあん
全部のせのりタル弁当 680円 タルタルソース、ちくわ天、メンチカツ、白身魚フライ、から揚、きんぴら、たくあん
BIGのりタル弁当(ナポリタン) 770円 タルタルソース、ちくわ天、から揚、白身魚フライ、ナポリタン、きんぴら、たくあん

これだけ選択肢がありますが、私は「ちくわ天」が好きなので、結局は普通の「のり弁当」で問題ありません。

ほっともっとの「ちくわ天」はサイズも大きく、小麦粉多めのためか、食感も柔らかく、ちくわぶみたいです。 本格的なちくわとは違いますが、これこそがのり弁に欠かせないピースなのです。

まずはおかずで一杯

お弁当を買った帰り道、隣のコンビニで買ったカップ酒と一緒に楽しみます。

まずは揚げたての白身魚フライとちくわ天を肴に、至福の昼飲みタイム。この「おかずで一杯やる」ひとときこそが、のり弁を食べる際の醍醐味です。

海苔は薄かった

のり弁に贅沢はいいませんが、海苔はなかなかの薄さでした。韓国のりぐらいの密度で、下のご飯が透けて見えるほどです。

でも、その下にあるカツオと昆布の佃煮のほうが重要なので、実のところ何の問題もありません。この濃いめの味付けの佃煮こそが、のり弁の本体だと思っています。

ごはん大盛に挑戦

いつもは、おかず(白身魚フライ、ちくわ天)を酒の肴として別に食べて、それ以外の要素(海苔、鰹節昆布、きんぴらごぼう、漬物)でご飯を食べるスタイルです。

今回、お腹が空いていたので、プラス90円で「ごはん大盛」に挑戦してみたのですが、結果として大盛分(20%ぐらい)のご飯が余ってしまいました。

どうやら普通盛りこそが、残った具材との完璧な「黄金比」になっているようです。

ただ、別途「お茶漬けの素」があれば、余ったご飯を〆として楽しむことができるので、大盛りという選択肢ももちろんアリです。

まとめ

いろいろ浮気もしてみましたが、結局は「普通ののり弁」を「普通盛」で食べるのが、一番満足度が高いという結論に至りました。

安くて、安定していて、酒にも合う。のり弁は普通ので問題ない。

60歳からの投資戦略:SBI新生銀行に申し込んだ

60歳からの投資戦略:SBI新生銀行に申し込んだ

退職後の資産管理、いわゆる「退職金の置き場所」を検討した結果、新たにSBI新生銀行に口座を開設しました。

今の時代、メガバンクに預けっぱなしにするのはもったいない。かといって、リスクを取りすぎるのも禁物。そんな「60代の最適解」を探る中で、この銀行が有力な選択肢として浮上してきました。

60歳以上にお得な「Bright 60」

今回、SBI新生銀行を選んだ大きな理由の一つが、60歳以上のユーザーを対象とした「Bright 60(ブライト・シックスティー)」というプログラムです。

これは、60歳以上のユーザーに対して、上位のステージ(ダイヤモンド)へのステップアップを優遇してくれる仕組み。 他行宛ての振込手数料の無料回数が増えたり、円定期預金の金利が上乗せされたりと、実利が非常に大きいのが特徴です。

「長く働き、資産を築いてきた世代」を明確にターゲットにしてくれている点は、安心感にもつながります。

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申し込みはスマホとマイナンバーカードでOK

申し込みの手順は、簡単でした。

  1. スマホに専用アプリをインストール
  2. マイナンバーカードをスマホで読み取る(住所・氏名などは自動連携)
  3. その他の必要事項をポチポチと入力
  4. 最後にカメラを起動して顔画像を登録

これで手続きは完了です。30分ぐらいでしょうか。

面白いのが、キャッシュカード💳のカラーバリエーションです。他行にはない多種多様な色が用意されており、選ぶ楽しみがあります。 最近は「無機質なデジタル完結」が多い中、手に取るカードの色を自分の好みで選べるのは、ちょっとした遊び心があって良いですね。

ネットサービスは即日利用可能になり、数日後には選んだ色のカードが手元に届きました。

スタートアップ定期

口座開設直後の「ボーナスタイム」として見逃せないのが「スタートアップ定期」です。

  • 3か月もの円定期預金:年 1.0%(税引前)

これだけでも今の低金利時代には破格ですが、さらにSBI証券と連携し、「SBIハイパー預金」を開設すると、さらに1.0%上乗せ(合計で年2.0%相当)になるキャンペーンが実施されていることもあります。

退職金というまとまった資金を、新NISAなど次の投資先へ振り分けるまでの「一時避難先」として、これほど効率の良い場所はなかなかありません。

金利を確認

自分がメインで利用している銀行各社と金利を比較してみました。(※金利は時期やキャンペーンにより変動します)

普通預金金利

銀行名 期待金利(年率)
あおぞら銀行 BANK 0.75%(100万まで)、0.5%
住信SBIネット銀行 0.3%
楽天銀行 0.3% (+各種優遇あり)
SBI新生銀行 0.40%(Bright 60(ダイヤモンド))

金利を見ると「あおぞら」がいいですね。私の場合、楽天銀行が優遇込みで0.4%ぐらい、さらに楽天経済圏のポイントもあるので、今のところは楽天にしています。

あおぞら銀行のデビットカードも魅力的に感じています。

定期預金金利(3か月・6か月・1年)

銀行名 3か月 6か月 1年
あおぞら銀行 BANK - 0.7% 0.9%
住信SBIネット銀行 0.375% 0.375% 0.4%
楽天銀行 0.375% 0.375% 0.4%
SBI新生銀行(ダイヤモンド) 1.0% 1.0% 0.8%

住信SBIネット銀行や楽天銀行は、今はキャンペーンのシーズンでないのか低めでしょうか。

最後に:使い分けの見込み

住信SBIネット銀行(ドコモSMTBネット銀行)がこれから5月に優遇ルールを変更する予定です。この影響で私は住信SBIネット銀行はあまり使わなくなると思います。

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そのため、私はメインバンク(生活費決済)が楽天、予備(現金バケツ)がSBI新生銀行とあおぞら銀行になりそうです。

それ以外にメガバンクや地銀も持っていますが、国民年金の引き落としなど特定の目的以外は使わないと思います。

皆さんは、どんな組み合わせで運用されていますか?

どこか分からなくなる不思議:巨大ショッピングモール

どこか分からなくなる不思議:巨大ショッピングモール

まあ、どうでもいい話なのですが、いつも不思議な気分がするので書き留めておきます。

ここはどこのショッピングモール?

「ららぽーと」や「イオンモール」などが典型的ですが、各地に巨大なショッピングモールがあり、それらは驚くほど似たような構造になっています。

3階建てぐらいの低層構造で、中央には巨大な吹き抜け。ガラス張りの手すり。見上げれば空が見えるような開放感。それらは日常を忘れさせる「非日常感」を演出しています。

私も数か所、そうした似たようなショッピングモールに行った経験がありますが、ふとした瞬間に立ち止まると、 「あれ? 今、自分はどこのショッピングモールにいるんだっけ?」 と、少し不思議というか、怖くはないけれど、ふわふわとした地に足のつかない不安な気分になります。

また時々、間違える

「確かここら辺に地酒の店があったよな」と、何となくのイメージでその場所に向かうと、あれ?ない……。

実はそれは別のショッピングモールの記憶でした。

全体的な構造は似ていますが、テナントの構成はちょっとずつ違ったり、でもユニクロやスターバックス、カルディといった「どこにでもある店」は共通して同じ場所に鎮座していたり。脳内の地図がバグを起こして、なんだか混乱してしまいます。

心理学的には?:脳が「ショートカット」している

この現象には、心理学的な理由がいくつか考えられます。

  • スキーマ(認知の枠組み): 私たちの脳は、効率化のために「ショッピングモールとはこういうものだ」という共通の雛形(スキーマ)を持っています。吹き抜け、ガラスの柵、等間隔に並ぶテナント。その記号が揃いすぎているため、脳が「あぁ、いつものあの場所ね」と細部の違いを無視して処理してしまうのです。
  • 「非場所(ノン・プレイス)」: フランスの人類学者マルク・オジェは、空港や高速道路、巨大商業施設のように、その土地固有の歴史や人間関係が希薄で、世界中どこへ行っても同じようなサービスが受けられる空間を「非場所(ノン・プレイス)」と呼びました。そこは、自分が「誰であるか」や「どこにいるか」というアイデンティティを一時的に忘れさせる、匿名性の高い空間なのです。

デジャブのような違和感の正体

「地酒の店があるはず」という記憶の混濁は、心理学で言うところのソース・モニタリング(情報源の特定)のミスです。

特定の場所の記憶として保存されるはずの情報が、「巨大モール」という抽象的なカテゴリーの中にひとまとめに放り込まれてしまうため、A店とB店の記憶が脳内でシャッフルされてしまう。どこにでもあるチェーン店の看板が、その混乱に拍車をかけます。

私たちは「記号」の中を歩いている

巨大なショッピングモールにいるとき、私たちは現実の土地を歩いているというより、高度に計算された「消費のシステム」という記号の中を歩いているのかもしれません。

次に「あれ、ここはどこだっけ?」と不安になったら、それはあなたの感覚がおかしいのではなく、むしろ「脳が最適化を行い過ぎているサイン」だと言えるでしょう。

たまには、あえて道が狭かったり、床がデコボコしていたりする「不便で個性的な地元の商店街」を歩いて現在地を確認したくなるのは、失われかけた「場所の感覚」を取り戻そうとする本能的な反動なのかもしれません。

酒なんてまずいもの:フリーレンのボースハフト

※以下、漫画/アニメ『葬送のフリーレン』のエピソードに関するネタバレが含まれます。


酒なんてまずいもの:フリーレンのボースハフト

お酒が好きですが、私はできるだけ博愛主義で行きたいと思っています。

世の中には「まずい酒」も確かに存在しますが、それに対して「金返せ」だの「こんなの酒じゃない」だのと文句を付けている人を見ると、 「この人は、本当に酒が好きなわけではないんだな」と思ってしまうのです。

「酒なんてまずいもの、まずくて当たり前のものだ」、(元ネタはユーベルですが)フリーレン様なら言うのではないかと思うのです。

フリーレンのボースハフト(あらすじ)

最近、放映された『葬送のフリーレン』に、幻の酒「ボースハフト」を巡る印象的なエピソードがあります。

あるドワーフが、人生のすべてを捧げて探し続けてきた幻の酒「ボースハフト」。ついにその保管庫を見つけますが、それは強力な結界に阻まれています。

偶然再会したフリーレンに結界の解除を頼むドワーフ。しかし、フリーレンは最初あっさりと断ります。

「生涯をかけて探したお酒がマズかったらどうするの?」

フリーレンは知っていたのです。ボースハフトが、実はとんでもなく「マズい酒」であることを。 結局、仲間に促されて結界を解き、ドワーフは念願の酒を口にします。案の定、それは顔をしかめるほどマズいものでした。

しかし、そこで物語は悲劇にはなりません。 「200年もかけて探した伝説の酒が、笑っちゃうほどマズかった」という事実を、仲間と共に笑い飛ばし、共有する。 その体験こそが、人生を彩る価値になる——そんな救いに満ちた結末でした。

そもそも水の代わりだったワインやビール

歴史を遡れば、酒は必ずしも「嗜好品」ではありませんでした。

中世ヨーロッパなどでは、生水を飲むことは病気のリスクを伴う危険な行為でした。そこで、殺菌作用のあるアルコールを含んだワインやビールが、「安全な水分補給の手段」、つまり水の代わりとして日常的に飲まれていたのです。

当然、それらは現代の私たちが吟味して飲むような代物ではありません。酸っぱかったり、濁っていたり、保存状態が悪くて劣化していたり……。今なら「まずい」と切り捨てられるような味が、当時の人々の命を繋いでいました。

「まずいけれど、飲まなければ生きていけない」

そんな切実な背景を知ると、酒という存在が持つ「人間の生への執着」が透けて見えてきます。味が良いか悪いかは、歴史という長いスパンで見れば、後付けの贅沢に過ぎません。

未知の味への好奇心:まずい味の理由を探る

成人したばかりの頃、とある「灘の銘酒」と言われる日本酒を飲む機会がありました。歴史あるブランドの名を冠したその酒を一口飲んだとき、正直な感想は「ぶっちゃけ、まずい」でした。

当時、漫画「美味しんぼ」に代表されるようなグルメブーム。日本が豊かになり、香りのよい吟醸酒がブームとなった時代です。それと比較すると、従来型の日本酒の品質は見劣りしていました。

私はそのマズさを「好奇心」に変えてみました。つまり「なぜ、これほど名のある酒が、私の舌に不快に響くのか?」と考えたわけです。

調べてみると、日本酒が「まずくなった」と言われる背景には、戦後日本の切実な歴史がありました。

「まずい」には、まずいなりの工夫があった

かつて日本酒の質が低下したのには、大きく分けて3つの理由があります。

  • 三倍増醸酒(三増酒)の登場 戦中・戦後の極端な米不足の中、米を節約しつつ大量の酒を供給するため、醸造アルコールや糖類、酸味料を添加して3倍に薄めて増量する手法がとられました。当時の目的は味の追求ではなく、安価に「酔い」を提供することでした。「灘の銘酒」は三増酒ではありませんでしたが、低コストで量を確保するという風潮が日本酒業界全般にありました。
  • 「速醸酛(そくじょうもと)」による効率化 天然の乳酸菌を取り込む手間暇かかる手法から、純粋な乳酸を添加して短期間で安定して造る技術へ。これにより「失敗」は減りましたが、同時に酒の「個性」や「奥行き」が平坦になりました。
  • 醸造アルコール添加 今では否定されることもあるアル添ですが、当時は腐敗を防ぎ、少しでも多くの人に届けるための、工夫でもありました。

「まずい」と感じたあの味は、職人の怠慢ではなく、「貧しい時代に、少しでも安く娯楽(酒)を届けようとした」という、当時の日本の切実な最適化の結果という側面もあります。

吟醸酒を飲まなかった叔父

その後、就職した20代のころ(1990年代ぐらいです)、時々、帰省していた叔父に、当時ブームになりつつあった華やかな吟醸酒を勧めたことがあります。若かった私は、純粋に「美味しいもの」を共有したかったのです。

しかし、叔父は私の勧めには乗りませんでした。

「そういう高い酒は、俺には合わないんだ」

そう言って、いつもの飾らない酒を選びました。 当時は不思議に思いましたが、今ならその理由が少しわかる気がします。

叔父にとっての酒は、頭で味わう「作品」ではなく、長年の仕事の疲れを癒やし、明日への活力をつなぐための「日常そのもの」だったのでしょう。 高級な吟醸酒の香りは、彼が戦い続けてきた日常には、合わなかったのかもしれません。

あの日、叔父が拒んだのは酒の味ではなく、それまで自分が信じて飲み続けてきた「生活の味」を守りたかったからではないか——。今となっては、そう不思議に記憶に残っています。

外れ年のマルゴー

ボルドー地方の不作(気候悪化)により外れ年と言われたシャトー・マルゴーを飲ませてもらったことがあります。(ちなみに当たり年のマルゴーなんてものは飲んだことがないです。)

酸味が強く、薄くて、食事にも合うようなものではありません。高級ワインを飲ませてもらったにもかかわらず、コメントに困りました。

しかし探っていくと、香りにはどこか薔薇のような気品があります。複雑さの残滓みたいなものもあります。失敗作かもしれないけれど、ものすごいポテンシャルを感じる、そんな感じです。

そのワインが目指している高い目標。しかし、不運にも気候に恵まれず失敗してしまった結果。それでも気品が残っている。

何か人の人生を連想させるような出来事でした。

人の営みを感じながら飲む

かつての職人たちが、貧しさと戦いながら編み出した「増量」や「効率化」の技術。それは美食のためではなく、「今日を生き抜く庶民の活力」のために最適化された味でした。そう考えると、その独特のアルコール感や後味すらも、当時の日本が歩んできた泥臭い歴史の風味に思えてきます。

不運な気候に泣いたマルゴーも、戦後の混乱を支えた日本酒も、そこには「ままならない現実」と「それでも高みを目指した意志」が同居しています。

「人生をかけた探し物が、実はマズかった」

「期待して飲んだ銘酒が、口に合わなかった」

それは一見、失敗や無駄に思えるかもしれません。でも、その「まずい」という体験の裏側にある歴史に触れたり、あるいは「マズかったね」と誰かと笑い合ったりすることができれば、それはもう単なる失敗ではありません。

まずい酒を、まずいと言いながら楽しむ。 それは、その酒が辿ってきた時間をまるごと飲み干すような、とても贅沢でフリーレン的(長い時間軸で俯瞰的に見る)な楽しみ方だと思うのです。

次にあなたが「まずい一杯」に出会ったとき、すぐに酒杯を突き返さず、その味の意味を考えてみてください。 その味の裏側に、かつて誰かが必死に造り上げた「歴史の足跡」が隠れているかもしれません。

60歳からの年金戦略:もう一つの見落とし、国民年金基金

60歳からの年金戦略:もう一つの見落とし、国民年金基金

前回、年金戦略の見落としとして、「国民年金の任意加入をするとiDeCoは続けられる」という話をしました。

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しかし、もう一つ見落としがありました。それが「国民年金基金」です。前回ご紹介した「付加年金」の異常なコスパを調べている過程で、この制度の存在に気が付きました。

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国民年金基金とは:国民年金とは違う

まず混同しやすいのですが、「国民年金」と「国民年金基金」は別物です。

  • 国民年金(本体): 全国民が加入する「1階建て」部分。
  • 国民年金基金: 自営業者など(第1号被保険者)が、厚生年金に相当する上乗せを自ら作るための「2階建て」部分。

公務員や会社員の厚生年金に近い仕組みで、公的な制度であるため「終身年金」が基本であり、破綻のリスクが極めて低いのが特徴です。

国民年金の「任意加入」をすると「国民年金基金」にも加入できる

「年金は60歳まで」と思い込んでいたのですが、実は2011年の法改正で、60歳以降に国民年金へ「任意加入」している期間も、基金に加入できるようになっています。これを「特定加入員」制度と呼びます。

40年の満額に達していない期間を埋めるために任意加入する際、さらなるブースト策として検討の俎上に載って(そじょうにのって)くるわけです。

ただし「付加年金」と同時加入はできない

ここで重要なトレードオフが発生します。前回のブログで紹介した「付加年金」と「国民年金基金」は、二者択一です。基金に入った時点で「月400円のバグ技」は封印されることになります。

国民年金(基礎部分)と国民年金基金の比較

そもそも、土台となる「国民年金(基礎部分)」と、上乗せである「国民年金基金」では、その構造自体に大きな差があります。

比較項目 国民年金(本体・基礎部分) 国民年金基金(上乗せ)
原資の構成 自分の保険料50% + 国庫負担(税金)50% 自分の掛金のみ(+運用益)
インフレ対応 物価・賃金スライドあり 額面固定(インフレに弱い)
性質 国が半分出す「100%マッチング拠出」 100%自己負担の「確定給付型年金」(DB)

国民年金本体は、自分が払った保険料と同額を国が上乗せしてくれる、いわば最強のレバレッジがかかったシステムです。一方、基金はこの国庫負担がないため、自らの拠出と運用益(予定利率 約1.5%)だけで勝負することになります。

国民年金基金とiDeCoは枠を「食い合う」という仕様

また国民年金基金は iDeCoにも影響します。国民年金の任意加入の期間で国民年金基金に加入する場合、「国民年金基金の掛金はiDeCoの枠を消費する」という仕様です。

第1号被保険者(および任意加入者)には月額68,000円の「上乗せ枠」が与えられていますが、基金とiDeCoはこの枠を共有しています。 つまり、基金に手厚く加入すればするほど、iDeCoに回せる枠が削られていくことになります。

両者の特徴を比較すると以下の通りです。

比較項目 国民年金基金 iDeCo(個人型確定拠出年金)
年金の種類 確定給付型(DB) 確定拠出型(DC)
運用の責任 基金が運用(将来の受取額が固定) 自己責任(運用成績で受取額が変動)
掛金の変更 口数単位(自由度は低い) 1,000円単位(年1回変更可能)
付加年金 加入不可(基金に含まれる) 併用可能(ただし枠は減少)
メリット 終身年金で長生きリスクに強い 運用次第で大きな伸びが期待できる

国民年金基金は終身年金ですが、利率は約1.5%(固定)です。一方で、iDeCoは確定拠出型(DC)ですが、自分の好きな商品(オルカン等)に投資することができます。

私の場合は?:所得ゼロでのスペック比較

では、私にとってこの選択肢はどう映るか。結論から言うと、「メリットが少ない」と判断しました。理由はシンプルで、「所得がゼロだから」です。 国民年金の任意加入の期間、国民年金基金やiDeCoに加入できますが、私としてはどちらも選択する理由がないと考えます。 特に無収入の期間に、数万円の固定費を『解約不能な年金』に縛り付けるリスクは無視できません。

国民年金基金、およびiDeCoの最大の武器は「掛金が全額所得控除になる」という節税ブーストです。所得がゼロであればこの武器が使えません。

そして、付加年金と比較してみると、その差は一目瞭然です。

比較項目 付加年金(バグ技) 国民年金基金(正攻法)
月々のコスト 400円(ワンコイン以下) 約1.8万円〜2.7万円(固定費化)
回収までの期間 約2年(圧倒的) 約15年〜20年(平均余命勝負)
節税の恩恵 ほぼ関係なし 無収入のため、本来の強みが消失
リスク ほぼゼロ インフレ負け・早期死亡リスク

所得控除という「最大の武器」を失った状態の基金は、単に「資金が長期間ロックされる、利回りの低い金融商品」になってしまいます。 これなら、月400円で2年で元が取れる「付加年金」の異常な効率を優先する方が、論理的にもキャッシュフロー的にも合理的です。

最後に

国民年金基金は、「所得がある自営業者が、節税しながら老後を固める」には最強のツールです。

しかし、60歳以降の任意加入期間に、私のように「無収入」で活動する人間にとっては、オーバースペックであり、むしろ付加年金の「バグ級のコスパ」を消してしまうデメリットの方が目立ちます。

国民年金基金に加入するよりは、オルカン+預金・国債の構成で自分で運用したほうがいいと考えました。

ただ、制度を知っておくに越したことはありません。今回も一つの選択肢を(選択はしませんが)検討できたことは有益でした。

余談:なんとも不思議な「付加年金」制度

余談:なんとも不思議な「付加年金」制度

先日、年金事務所に行き国民年金の任意加入を手続きしましたが、同時に「付加年金」というオプションも付けました。月額400円を上乗せして払うと、将来の年金が「200円×納付月数」分増えるというものです。

一見地味ですが、調べてみるとこれがなかなか「味わい深い」制度でした。

付加年金制度とは

仕組みは極めてシンプルです。

  • 納める時: 月額400円(固定)
  • もらう時: 年額 200円 × 納付月数(終身)

例えば、20年間(240ヶ月)納付すると、保険料の総額は96,000円。これに対し、将来受け取る年金は毎年48,000円上乗せされます。つまり、受給開始からわずか2年で元が取れ、3年目以降はすべて「純増」という、現代の金融商品ではあり得ない高利回り(50%相当)を叩き出します。

できた経緯

付加年金は1970年(昭和45年)に誕生しましたが、その背景には当時の「年金格差」を埋めるための苦肉の策という側面がありました。

  1. 「2万円年金」を目指した時代の産物 1960年代後半、政府は「厚生年金を月額2万円にする」という目標を掲げていました。しかし、自営業者などの国民年金は厚生年金に比べて受取額が低く、夫婦合わせても2万円に届かないという課題がありました。そこで、「手軽に上乗せできる仕組み」として急遽付け足されたのが付加年金です。
  2. 物価スライドの「波」に置いていかれた 1973年、オイルショックによる物価高騰を受けて年金本体に「物価スライド制」が導入されましたが、付加年金は「おまけの特約」扱いだったため、スライド対象から外されました。その結果、誕生時の「400円と200円」という数字が1970年からフリーズしたまま今日に至ります。
  3. 「国民年金基金」への進化と残留 1991年に「国民年金基金」が設立された際、本来なら役割を終えるはずでしたが、「低コストな入り口」として奇跡的に存続することになりました。

「月額2万円」というのは当時の平均月収の40%ぐらいだったみたいです。

付加年金にはマクロスライドはない

特筆すべきは、現代の年金制度の根幹である「マクロ経済スライド」が適用されないという点です。

年金本体は、現役世代の減少や寿命の伸びに合わせて、受取額の実質的な価値が調整(抑制)される仕組みになっています。しかし、付加年金は「200円×月数」という計算式がガチガチの固定仕様。インフレ時には弱いという側面はありますが、「社会情勢によって給付水準を削られない」という、現代の年金制度において極めて特異な「聖域」になっているのです。

バグのような制度の生き残り

今の付加年金は、「高度経済成長期の遺産が、奇跡的に当時の高利回りのまま、ひっそりと生き残っている化石のような制度」と言えます。いわば、「制度のバグ」や「ボーナス設定の消し忘れ」に近い状態です。

普通、金融の世界で「利回り50%(2年で元本回収)」なんて話があれば詐欺を疑うレベルですが、これが公的な制度として平然と生き残っているのが面白いところです。

ITの世界でいえば、システムのコア部分がアップデートされる中で、なぜか隅っこの方に初期のデバッグ用コマンドが残っていて、それが今の環境だと最強のショートカットとして機能してしまっている……そんなロマン(?)を感じる制度。

年金会計にとっては赤字要素かもしれませんが、「1号被保険者」に許された、ささやかな、しかし確実な「システム最適化」の手法と言えるかもしれません。