流しでトーストを食べる
「流しトースト」?
食事の際はお皿をきちんと用意して、テーブルについて食べるのが普通です。 でも、白状します。私は時々、トーストを、お皿も使わずシンクの上でそのまま直食いすることがあります。
これは決して褒められた行儀ではありませんし、誰かに見られたらドン引きされるでしょう。しかし、合理的ではあります。 お皿を洗う手間が省ける。食べ終わったらシンクに水を流せばいい。 そう、片付けを最小限に抑えるという一点において、これ以上の効率化はありません。
ちなみに、手の爪切りもシンクの上でします。ストッパーがあるのでほとんど飛び散りませんし、やすり掛けした粉をそのまま水で洗い流します。
思えば私の祖父などは縁側で爪切りをして、切った爪はそのまま庭に投げていました。食事の残飯は犬やニワトリに上げてもいいし、庭は鑑賞するだけでなく、ある種のリサイクル施設でした。(ペットの健康という意味ではあまりよろしくない行為だったかもしれません、たしか15年は生きたと思いますが)
「非・食卓」の食事空間:ミニマリストの知恵?
このような「流しトースト」は極端な例かもしれませんが、似たような発想は他にもあります。
例えば、一人暮らしのミニマリストの部屋を紹介する動画などで見かけるのが、ガスコンロを使わないと決めて、その上に板などを渡して調理兼飲食スペースとして活用しているケースです。 料理は買ってくるか、電子レンジや電気ケトル、カセットコンロ、その他ガスコンロ以外の調理家電で済ませる。 こうすることで、限られたスペースを最大限に有効活用しているわけです。 電気式の焼き鳥グリルをおいて居酒屋風にする人、酒瓶を並べてバー空間にしている人もいます。
一人暮らしのアパートの場合、ガスコンロの隣はすぐシンクのことが多いです。 ガスコンロをあきらめることでスペースを確保し、また食べ終わったら細かいパンくずや食べこぼしはシンクにそのまま掃ってしまえばいい。 焼き鳥の煙も換気扇で排出できる。なかなか合理的です。
合理性と清潔感のジレンマ:流し食事が普及しないワケ
しかし、流しでの飲食が一般的にならないのは当然の理由があります。それは、やはり清潔感の問題です。
シンクは洗い物をする場所であり、食べ物の残りカスや排水溝が見えたり、独特の匂いがしたりすることもあります。 いくらきれいにしているつもりでも、食欲をそそる空間とは言えません。 考えてみれば、「リビングの椅子にトイレがついていたら便利かもしれないけど、全然嬉しくない」という発想と似ています。 機能的であっても、快適とは言えません。
未来の食卓に必要なのは「清潔なゴミ処理」?
では、この合理性と清潔感のジレンマを解決し、より快適な食空間を追求するにはどうすれば良いのでしょうか?
私が思うに、「食卓におけるゴミや残りカスのスマートな処理」は一つのカギです。
現在のダイニングテーブルは、食事中にパンくずや食べこぼしが出ると、都度拭き取るか、食後にまとめて掃除するしかありません。 フレンチレストランなどで見かける、ウェイターがパンくずを専用のちりとり(ダストパン)でサッと集める姿は、まさにその解決策の一つです。 しかし、家庭でそれを毎回やるのは現実的ではありません。テーブルクロスを毎回洗濯するのも家庭では面倒です。
そこで、近未来に実現できるかもしれない発想をしてみます。
- ゴミポケット付きダイニングテーブル: 麻雀卓のように、テーブルの中央や端に小さな投入口があり、そこから食べこぼしやゴミを直接下のダストボックスに落とせるような仕組みがあればどうでしょう? 食事が終われば、ゴミはすべて見えない場所に収まり、テーブルは常に清潔に保てます。
- シンク直結型ダイニングテーブル: さらにダイニングテーブルの一部がシンクに直接つながっており、食べ残しや液体をサッと流し込めるような構造はどうでしょうか? 多少の匂いや見た目の問題は残りますが、合理性は飛躍的に向上します。
- 食卓専用ロボット掃除機: ダイニングテーブルの上を自律的に動き回り、パンくずや小さな食べこぼしを感知して吸引してくれる小型のロボット掃除機が開発されたら、便利かもしれません。食事中や食後すぐにテーブルをきれいに保つことができ、清潔感と手間削減を両立できるかもしれません。
実現可能な気もしますが、誰も作らないのは需要がないんですかね。
まとめ:ズボラから見えてくる、食空間の未来
流しでトーストを食べるという私の「ズボラ飯」から始まった思考ですが、突き詰めると「いかにして食卓を清潔に保ちつつ、食事の準備・片付けの手間を減らすか」というのは、多くの人が抱える共通の課題だと思います。
技術の進化によって、もしかしたら、未来の食卓は、食事のスタイルや片付けの概念が大きく変わっているかもしれませんね。 その日を夢見て、今日も私はシンクの上でトーストをかじることにします。
