60歳からの投資戦略:定期預金のキャンペーンは「販促金」?その賢い利用法とは
「定期預金キャンペーン」と聞くと、金利の高さに惹かれる方も多いでしょう。ただ、金利以外の条件もチェックする必要があります。預け入れ期間が、3ヶ月や6ヶ月といった短期間の場合、たとえ年利1%と書かれていても、1年間預けられるわけではありません。また、優遇金利が適用されるのが100万円や200万円といった上限付きの特別金利であることもよくあります。
特別金利の具体例
キャンペーン定期には、以下のようなケースがあります。
- 新規顧客向け特別金利: 口座開設から一定期間内に限り、高い金利を適用。例えば「3ヶ月もの定期預金、金利年1.0%!ただし100万円まで」といったケースです。
- 退職金向け特別金利: 退職金を受け取った人限定で、高い金利を適用。例えば「退職金受け取りから半年以内限定、300万円まで金利年2.0%」といったケースです。
- 期間限定特別金利: 預け入れ期間が3ヶ月や6ヶ月といった短期間に限られるケースです。夏冬のボーナスが出るシーズンに設定されることが多いです。
これって結局、販促金?
こうしたキャンペーンは、結局のところ「銀行の販促金みたいなものじゃないの?」と感じる人もいるかもしれません。特別金利は最初だけで、満期を迎えれば通常金利に戻ってしまうため、恒常的な利益は見込めないからです。
結論から言えば、その通り。これらの定期預金キャンペーンは、銀行が顧客を呼び込むための「販促」の一環です。
なぜ銀行は「販促金」を出すのか?
銀行がキャンペーンを行う目的はいくつかあります。
- 新規顧客の獲得: 新しい顧客に口座を開設してもらい、長く取引を続けてもらうきっかけを作りたいと考えています。
- 既存顧客へのアピール: 既存の顧客に「それなら定期預金にしておくか」と感じてもらい、他の銀行への資金流出を防ぎたいのです。
- 特定商品の販売促進: 定期預金だけでなく、投資信託や保険商品などの金融商品の提案につなげることも目的の一つです。
これらのキャンペーンは、一種の「お試し」期間のようなものです。短期間で高い金利を提供することで、「まずはうちの銀行を使ってみてください」とアピールしているわけです。
また定期預金にしてもらえると銀行はその預金を使った投資や融資を行いやすくなります。普通預金と違って一定期間は引き出されないことを期待して行動できるからです。
さらに、これらのキャンペーンは、以下のような消費者の傾向を利用しています。
- 印象的な数字に飛びつく: 「年利1%!」といったインパクトのある数字に、つい目がいってしまいがちです。しかし、預け入れ期間や上限金額を考慮すると、実際に受け取れる利息はわずかであることも少なくありません。
- 面倒くさがり: キャンペーン期間が終わっても、満期を迎えた資金を他の銀行に移すのが面倒だと感じる人が多いため、そのまま通常金利の定期預金に預けっぱなしになることを狙っています。
- 忘れやすい: キャンペーンの詳細や、満期日を忘れてしまう人がいるため、キャンペーン後の対応がおろそかになることを期待しています。
リタイアした後は時間的余裕がありますから、こうした傾向を利用されないように対策できますよね?
「販促金」を賢く利用する3つのポイント
「販促金」だと割り切ってしまえば、逆にその仕組みを逆手にとって、私たちがお得に利用する方法が見えてきます。
- 「乗り換え」前提で利用する: キャンペーン期間が終わったら、より条件の良い銀行を探して、資金を移動させることを前提にしましょう。「キャンペーン渡り鳥」のように、複数の銀行を比較検討する手間を惜しまなければ、賢く資産を増やせます。
- 「使わないお金」を効率的に増やす: 普段使うことのない生活防衛資金や、1年後に使う予定のあるお金など、すぐに使う必要のない資金をキャンペーン定期に預けるのは有効な手段です。普通預金に置いておくよりも、はるかに効率よく増やせます。
- 「銀行のサービス」も比較検討する: 金利の高さだけでなく、その銀行のサービス全体もチェックしましょう。キャンペーンをきっかけに、自分に合ったメインバンクを見つける良い機会になります。
「キャンペーン渡り鳥」のためのチェックポイント
より高い金利を求めて、キャンペーンごとに銀行を乗り換える「キャンペーン渡り鳥」を実践するなら、以下のポイントをチェックしておくと、手間やコストを最小限に抑えられます。
- 資金移動の容易さ: 資金を移動する際の手数料や手続きの煩雑さは重要です。他行宛ての振込手数料が無料、あるいは無料回数が多い銀行を選ぶと、コストを抑えられます。
- 窓口に行かずに完結できるか: 申し込みから解約、資金移動まで、すべての手続きがインターネットバンキングやスマホアプリで完結できる銀行を選びましょう。対面での営業や勧誘を避けたい方にとって、これは最も重要なポイントです。
- 預け入れ・引き出しの最低金額: 手数料の優遇を受けるには100万円以上の預け入れが必要など、条件がある場合があります。複数の銀行でキャンペーンを利用する場合、どのように資金を分割すれば、優遇を受けられるか確認しておきましょう。
- 普通預金金利の高さ: キャンペーン定期の満期後、次の預け先が見つかるまでの間、一時的に普通預金に置いておくことになります。その際、普通預金金利が少しでも高い銀行を選んでおくと、無駄なく利息を得られます。
- 満期後の設定: キャンペーン後の金利が魅力的でない場合、「満期解約」にして、自動的に普通預金に移動されるように設定しましょう。
対面窓口には行かない
迷惑電話への対応で大事なのは電話を取らないということです。電話を取ってしまうと相手と話す必要があり、相手の話を理解しようという心の働きを抑えることはできません。そこから、ついつい、相手の勧誘に乗ってしまうこともあるでしょう。
同様に、銀行に対しても窓口に行って話をしないことが大切です。窓口に行って、子や孫のような世代の担当者に、「こちらの投資信託はいかがですか?」などと、いかにもあなたの将来を心配しているかのように言われたら、断るのが大変です。「銀行はあなたのお金を利用して利益を得ている」、この大前提を思い返しましょう。窓口には行かず、すべての手続きをインターネットバンキングやスマホアプリで済ませる。インターネット銀行など近所に銀行の店舗がない銀行を選ぶのも一案です。
もちろん、あなたが話し相手が欲しくて、お金を損しても構わないというのであれば、止めはしません。ただ、最近は銀行も定期預金など比較的リスクが少ない商品だけでなく、高リスクだったり高い信託報酬で銀行のもうけが多い投資信託などの商品を勧めてきます。話し相手は別の場所で探したほうが良いでしょう。
面倒くさい人は個人向け国債10年変動でOK
「キャンペーン渡り鳥は面倒だけど、普通預金に置いておくのはもったいない」と感じる方には、個人向け国債10年変動がおすすめです。
- 元本保証: 国が発行する債券のため、元本は安全です。
- 金利上昇に強い: 半年ごとに金利が見直されるため、市場金利が上がれば受け取れる利息も増えます。
- いつでも換金可能: 発行から1年経過すれば、いつでも中途換金が可能です。
定期預金のキャンペーンは、銀行の販促活動であると同時に、私たちがお得に資産を増やすためのチャンスでもあります。キャンペーンの意図を理解し、賢く利用することで、普通預金に眠らせておくよりも、有利な資産運用が可能になります。
あなたは、こうしたキャンペーンをどのように活用していますか?