NISAを振り返れば:リタイア準備は「最初の600万円」で十分だった?
※訂正:最初に執筆した際に、一般NISAは最初の2年間は100万だったのを失念しておりました。そのため正確には「最初の560万」ですが、ここでは切り良く600万とさせてください。
2025年も年の瀬。証券口座を眺めながらふと思ったのですが、2014年のNISA開始時から淡々と積み立ててきた人は、すでに新NISAの生涯枠である「1,800万円」を評価額ベースで超えている方が多いのではないでしょうか。
私自身はといえば、以前のブログでも書いた通り、いろいろと「余計なこと」に手を出してしまったせいで、そこまで突き抜けた成績ではないのですが……(苦笑)。
意外と長い?NISAの歩み
ここで一度、NISAの歴史を整理してみましょう。
| 開始年 | 制度名 | 概要 |
|---|---|---|
| 2014年 | 一般NISA | すべてはここから始まりました。年間100万円でスタート(2016年から120万円に拡充)。利益が5年間非課税に。 |
| 2016年 | ジュニアNISA | 未成年対象。現在は新規受付終了。 |
| 2018年 | つみたてNISA | 非課税期間が20年。積立投資が一般化しました。 |
| 2024年 | 新NISA | 非課税期間が無期限化。 最大1,800万円の巨大枠へ。 |
「最初の600万円」が化けた11年間
もし、2014年の開始時から「一般NISA」の枠を使い、5〜10年かけて600万円を投資していたらどうなっていたか。投資対象にもよりますが、2025年現在、ざっくり見積もっても3倍〜5倍程度には膨らんでいるはずです。
やや極端な例ですが、2014年にS&P500へ100万円を一括投資していたら、現在は約650万円(円建て・配当再投資込み)にまで成長しています。当時の非課税枠をフルに埋めていたなら、それだけで「老後2000万円問題」は解決していた計算になります。
最高の「ボーナスタイム」を振り返る
もちろん、これは「過去のチャートを見てから答え合わせをする」という、後出しジャンケンのようなズルい計算かもしれません。ですが、この11年間がいかに「投資家のボーナスタイム」だったかは特筆に値します。
- 米国株の独走: 当時はまだ「期待の星」だったエヌビディアや、アップル、マイクロソフトといったGAFAM+αが世界経済を支配し、株価を強烈に押し上げました。
- 株高と円安の相乗効果: 2014年は1ドル=100円前後。それが現在は150円台。株価の伸びに「為替の差益」が乗っかり、日本円で見ると資産価値を大きく押し上げる結果となりました。
2014年に投資の門を叩いた人は、まさに「米国株の黄金時代」へのプラチナチケットを手にしていたわけです。
これから先も「米国一強」は続くのか?
これほど好調だったS&P500ですが、「これからの10年も同じように伸びるか?」と聞かれれば、それは誰にも分かりません。 投資の歴史を振り返れば、特定の国や資産が永遠に勝ち続けることはないからです。
「米国株だけでは不安だ」と感じる場合や、より手堅く運用したい場合の選択肢として、現在は「全世界株式(オール・カントリー)」という選択も非常に有力です。
- リスクの分散: 米国だけでなく、日本を含む先進国、さらには成長が期待される新興国まで、文字通り世界中の企業に丸ごと投資できます。
- 自動的な入れ替え: もし将来、米国の勢いが衰え、他の国が台頭してきたとしても、指数の中で構成比率が自動的に調整されます。我々が「次はどの国が来るか」を必死に予想する必要はありません。
「最高の11年間」を享受できたのは米国株でしたが、これからの不透明な時代を生き抜くなら、特定の国に依存しない「世界分散」という守りの姿勢も、立派な戦略になります。
最後に:投資は「生活」を守るためのツール
我々の世代がたまたまラッキーだった側面は否めません。しかし、この結果が教えてくれるのは、「若いうちに(あるいは早いうちに)一定額を市場に置いておくこと」の圧倒的な威力です。
投資を活用して賢く老後資金を準備できれば、その分、今この瞬間の生活や子育てに、お金も心も余裕を向けることができます。
「あの時始めていれば」と悔やむより、未来の自分に「あの時始めた自分を褒めたい」と言われるよう、新NISAという新しい武器を使い倒していきたいものですね。