突発性難聴:集音器「オトモア」を試してみた本音レビュー
相手の言うことが聞き取れないとき、無意識に耳の後ろに手を当てて「えっ?」と聞き返すことがありますよね。
あの「手で音を集める動作」をそのままプロダクトにしたユニークな集音器、それがオトモア(音モア/Otomore)です。突発性難聴を患う私が、実際に使ってみて感じた「リアルな効果」をまとめました。
オトモアとは?
オトモアは、電池も回路も使わない「電源不要の集音器」です。 耳の後ろに装着することで、耳介(じかい)の機能を拡張し、前方からの音を効率よく拾うという非常にシンプルな仕組み。補聴器や電子集音器のような「音の増幅」ではなく、あくまで「物理的な集音」に特化したアイテムです。
片耳難聴の場合、効果は「数パーセント」
左耳が聞こえない私の正直な感想を言えば、全体の聞こえを100とすると、改善されるのは1~2パーセント程度といったところ。劇的に聞こえるようになるわけではありません。(個人の感想です)
ただ、面白い変化もありました。
- 定位感の微調整: 音が自分の耳よりも「数センチ外側」で鳴っているように感じます。
- 方向感覚の改善: わずかではありますが、音がどこから来ているのかという「方向」が捉えやすくなりました。
劇的な音量アップというよりは、音の輪郭が少しだけはっきりする、という感覚に近いかもしれません。
正直、普段使いはちょっと難しい…
数日間試してみましたが、外で日常的に使うにはハードルが高いと感じた点が3つあります。
- 見た目のインパクト: 装着すると、例えるなら「ちょっと怪しいミッキーマウス」。かなり目立つので、外出先で使うには勇気が必要です。
- 紛失のリスク: 構造上、頭に乗せているだけなので、激しい動きや着替えの際にポロッと落ちやすいのが難点です。
- 前方の音に特化した形状: 自分の正面にあるテレビなどの視聴に特化した設計です。私のように使えない左耳の補助(後ろからやってくる自転車に気づきたい等)には向いていません。
メーカー側も「常時装着」というよりは、テレビ視聴や静かな場所での会話など、家庭内でのスポット使用を想定しているようです。
考察:なぜ「自分の手」には勝てないのか?
オトモアを使っていて一番の疑問だったのが、「自分の手を耳に当てたほうが、よく聞こえる気がする」という点です。
プラスチック製のオトモアに対し、生身の手のほうが優れている理由を自分なりに推論してみました。
- 無意識の微調整: 自分の手なら、その時の音の方向に合わせて、ミリ単位で角度や形を最適化できる(オトモアは形状が固定されている)。
- 素材の反射率: 硬いプラスチックは特定の周波数を跳ね返しすぎる、あるいは吸収しすぎてしまい、肌の質感のような「自然な反射」が得られない。頭にのせるので仕方がありませんが、重量的にももっと重いほうが集音には適しているかもしれません。
- 骨伝導の有無: 手を耳の裏に当てることで、微細な振動が骨を通じても伝わっているのではないか?
まとめ:オトモアは「補助の補助」として
「これさえあれば難聴が解決する!」という魔法の道具ではありません。しかし、電源不要で耳を塞がないため、耳への負担が少ないという独自のメリットはあります。
「補聴器を使うほどではないけれど、テレビの音を少しだけ明瞭にしたい」といった、リラックスタイムのサポート役としては面白い選択肢かもしれません。
