ニートになりたい

成果主義人事は一般にろくに働かない中高年管理職の年俸を下げるのが目的と言われているが、それは嘘だと思う。なぜなら、年俸切り下げのターゲットが中高年管理職であるのは事実だが、同時にこの人々はそれなりに社内政治力も持ち合わせており、制度導入の際にいろいろな「経過措置」なるものを付け加えて定年まで逃げ切る仕掛けを埋め込むからだ。
そこで実際の人件費削減の原資は、社内政治の右も左も分からない20〜30代前半までの若い連中の(主に将来の)給料からひねり出されることになる。大手企業で成果主義を導入しているところを見れば、だいたいそうだ。で、新卒採用を大幅に絞り込んで現存する若手社員の昇級を抑制し、極限までこき使う。音を上げて辞めるやつが出ても会社は全然困らない。給料の高い正社員が減れば、その分をパートや派遣で補ってお釣りが来るからだ。

確かにこれから大きく昇給することはないだろう。(ちなみにこの文章以降には女性管理職候補の囲い込みのことが書いてあるが、優遇されている30台女性社員というような人は私はあまり見たことがない。)
同時に現状の給与で十分生活できるならこれ以上は要らない。それよりも時間のゆとりや自分のペースを守って生活や仕事をすることを優先したいという思いがある。また、例えば給与が半分になっても労働時間も半分になるなら容認できるかもしれない。(もちろん制度がそうなってもサービス残業が増えるだけなら意味はないんだけど。)
まったく働かないニートとまでは行かなくても、これ以上働きたくない、もっと余裕を持ちたいという気持ちは大半の人が持っているのではないかと思う。