アパートの夢

大学を卒業してからも自分は夢の中では大学時代のアパートに住んでいた。
実世界でも、そのアパートは自分が卒業するときに全ての住人を追い出して、大家は土地をどこかの会社に売った。しかしバブル崩壊の影響かその土地はしばらくの間利用されることがなかった。私はUターン就職をしたのだが、卒業から数年後に友人の結婚式の際、昔のアパートを懐かしさで訪れた時に、自分が引越しをした直後の部屋がそのまま保存されていて、びっくりした。自分が捨て置いていった家具などがそのまま残っていた。鍵もそのままだろうから、忍び込めばまたここに暮らすことができるような気がした。
夢の中ではアパートに戻った自分はひたすら布団で寝ているか、ときどきアパートを抜けては周囲をうろうろしていた。当時の友人には誰にも会わなかった。

そんな夢をここ数年見ていたのだが、今日は続きがあった。同じようにずっと布団で寝ていたところ、大家らしき老婆が私を発見してしまったのだ。私は怖くなって見つかる前にアパートを抜け出した。もう戻ることはできないだろう。

良く考えるとこれはいい夢のような気がする。もうあのアパートの夢は見ないかもしれない(見るかもしれないが)。記念にメモしておこう。