以前、お話しした「流しでトーストを食べる」のように、人前ではあまり大っぴらには言えないけれど、密かに実践している食習慣があります。
「皿まで綺麗に」は、私だけの至福の瞬間
禅寺での食事の締めにお茶で茶碗を清める作法や、洋食でパンを使ってソースをぬぐう習慣は、世間的に認められたマナーとして知られています。 しかし、私の「皿まで綺麗に」は、そういったマナー、あるいは高尚な「もったいない精神」や「食品ロス問題」「SDGs」といった大義とは少し違います。 もっと個人的で、ある意味「しょぼい」というか、マナー的にはグレーゾーンかもしれません。 それでも、この行為がもたらす純粋な満足感、そして食後にお皿がきれいになる合理性は、他に変えがたいものがあるんです。
例えば、野菜炒めやステーキを食べた後のお皿。そこに残る汁や脂こそ、素材の旨味が凝縮された「隠れたメインディッシュ」だと私は考えています。これを捨てるなんて、もったいなさすぎる!私は必ずご飯を少し残しておき、その旨味の洪水の中に投入します。ご飯粒一つ残さず、お皿の底まできれいにいただく。私にとって、お肉や野菜といった具材は言わば「飾り」。この〆のひと口こそが、最高の瞬間なんです。
煮魚や煮物の煮汁も同様です。とろりとした煮汁は、それだけでご馳走。具材に絡めるだけでなく、ご飯にかけて味わったり、時にはそのまま飲み干してしまいます。こうすることで、汁を捨てる手間も省けますし、食後の食器もけっこうきれいになるので、美味しいだけでなく合理的だな、と感じています。
塩分は気にしない?私なりの健康論と、スープへのこだわり
正直なところ、この食べ方だと塩分摂取量はそれなりに高くなるでしょう。私は塩分についてはあまり気にしていません。 むしろ、塩分をしっかりとったほうが頭も冴えるし、気分もしゃきっとすると感じています。
現在の日本人は血管が破れる「脳出血」よりも、血管が詰まる「脳梗塞」や「心筋梗塞」のケースが多いと言われています。その場合、「ある程度血圧は高いほうが血管が詰まりにくい」という意見もあるようです。ただし、これは世間一般で推奨されている見解ではありませんし、行儀的にもどうかという行為なので、皆さんに無理にお勧めするものではありません。
スープが好きとは言っても、体に無理のない範囲で行ったほうがいいですね。 私も若い頃のように、例えば豚骨ラーメンのスープを飲み干すことはできなくなりました。 とはいえ、つけ麺や油そばのようにスープが少ないと、どこか物足りなさを感じてしまいます。 あの「汁気」、つまりスープの存在こそが、食の満足度を大きく左右する重要な要素なのかもしれません。
讃岐うどん系のうどん屋のメニューには「かけうどん」以外に「ぶっかけうどん」がありますよね。「かけうどん」よりは汁の量が少ないですが、濃いめのスープが特徴です。 個人的には、あの程度のスープ量のラーメンがあってもいいような気がします。
もちろん、私は「ぶっかけうどん」の汁も、ご飯にかけて食べています。天ぷらや、うどんチェーン店にある無料の天かすを入れてご飯にかければ、これがまたたまらない一品になるんです。
皆さんにも、私のような「皿まで綺麗に」する、人には言えない密かなこだわりはありますか?