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REIT、その4:REITをポートフォリオに組み入れるか、私の判断

🏠 REIT、その4:REITポートフォリオに組み入れるか、私の判断

最初に現時点での見解:自分はREITポートフォリオには入れない 🙅

これまで自分がREITを良く知りもせずREITインデックスファンドを保有していたことを反省し、REITについて、少しは調べて理解してみました。

結果として、現時点の見解としては、60歳からの投資戦略において、REITを(特別に)ポートフォリオに入れることは必要ないと判断しました。

そのため自分のポートフォリオは単純に以下の2つになります。

  • 全世界株式インデックスファンド
  • 低リスク資産(銀行預金と個人向け国債変動10年)

60歳時点では、年金も加味した上で、80歳までの20年間を想定した生活資金を低リスク資産で保有し、それ以外は全世界株式インデックスファンドに割り当てます。

※ただし、多くの全世界株式インデックスファンドには時価総額ベースでREITが1~2%程度、含まれるようです。この時価総額ベース以上にポートフォリオに特別視して入れることはないというような意味になります。

結局、株式インデックスとは何が違うのか 🤔

なぜREITを取り入れないのか。まず疑問に思ったのは、不動産価値も人間の経済活動を反映するのだとすると、株式とは別に買う意味はないのでは?と考えたからです。

もちろん家賃収入は短期的な経済動向とは別の動き方をするのは分かります。不景気になってもオフィスはそれなりに必要です。アパートもそうでしょう。

しかし、人間の経済活動が不動産の使用を生むのだとしたら、超長期で見れば、REITと株式は結果同じところに収れんするのではとも思えます。株式は企業の利益(イノベーションや成長)、REITは賃料収入(安定したキャッシュフロー)が主な収益源ですが、長期的にはどちらもマクロ経済成長に強く依存します。

補足:REITを運営する株式会社AMCに投資するのとREITに投資するのは何が違うのか

株式と同じなのか、違うのか。REITを運用する株式会社AMC(資産運用会社)の株式に投資するのとREITに投資するのは何が違うのかを見てみましょう。

比較対象 投資対象と収益源 リスク特性
REIT証券 不動産そのものに投資。収益源は賃料収入(高配当特化)。 不動産市場、金利変動、災害など、不動産本体に起因するリスク。
AMCの株式 運用・管理を行う会社に投資。収益源はREITからの運用報酬や管理手数料 運用業界の競争、会社の経営能力など、一般的な企業の経営リスク

REITは、不動産を保有するにあたり、金融機関からの借り入れ(レバレッジを積極的に利用し、さらに投資家(REITの受益者)から資金を集めるというファンド構造をとっており、一般的な事業会社(株式会社)とは資金調達と収益分配の点で根本的に異なります。

J-REITTOPIXを比べてみる

J-REITは不動産が生み出す賃料収入を主な収益源とするため、TOPIXとは異なる値動きをします。したがって、株式市場全体の変動リスクを抑えるための分散投資先として有効な場合があります。

年間騰落率や相関係数を見てみましょう。

年間騰落率の比較

📊 過去10年間のJ-REITおよびTOPIXの年間トータルリターン比較

基準期間 (年度末) J-REIT年間騰落率 (%) TOPIX年間騰落率 (%) J-REIT標準偏差 (年率) TOPIX標準偏差 (年率)
2015年 11.5 3.0 9.8 15.5
2016年 -1.2 1.8 10.5 16.2
2017年 5.8 21.8 8.5 11.2
2018年 4.1 -10.9 9.1 17.8
2019年 18.3 17.3 7.9 10.5
2020年 -8.5 4.8 15.1 24.5
2021年 10.5 10.4 8.8 12.1
2022年 -5.9 -3.5 9.9 14.3
2023年 7.5 28.3 8.2 18.0
2024年 6.0 12.5 8.5 13.5

注: この表は、AIが作成したものです。

💡 このデータから読み取れる主な知見

  • ダウンサイド・プロテクションの機能(2018年)
    • 2018年はTOPIXが大幅に下落したのに対し、J-REITはプラスリターンを維持しており、株式市場の極端なリスクオフ局面を緩和する役割を果たしたことがわかります。
  • ボラティリティの抑制
    • ほとんどの年で、J-REIT標準偏差(リスク)TOPIXよりも低く推移しており、J-REIT安定したインカム収益が価格を下支えし、リスクを抑制していることが裏付けられます。
  • リスク効率性の示唆
    • このデータから、J-REITTOPIXよりもリターンが低い年もありますが、リスク(標準偏差)も著しく低いため、リスク調整後のリターン効率(シャープレシオ)では優位性があることが示唆されます。

📉 J-REITTOPIX間の年間相関係数の推移(過去10年間)

この表は、J-REIT日本株式と同時にポートフォリオに組み込んだ際の「分散効果の安定性」を示すデータです。相関係数が低いほど(0.00に近いほど)、分散効果が高いことを意味します。

基準期間 (年間) J-REIT/TOPIX 相関係数 相関性の傾向とマクロ環境
2015年 0.42 中程度(景気回復期、金利安定)
2016年 0.35 低相関期TOPIXの低迷、不動産ファンダメンタルズ主導)
2017年 0.28 低相関期(グローバル成長加速、金利低位安定)
2018年 0.55 中高相関期(米中貿易摩擦、グローバル株安連鎖)
2019年 0.49 中程度(市場の回復、物件取得競争)
2020年 0.78 高相関期パンデミックによる流動性危機)
2021年 0.41 中程度(コロナからの回復、金利の静観)
2022年 0.62 中高相関期(インフレ急進、中央銀行タカ派化)
2023年 0.51 中程度(日本株評価改善、金利懸念の台頭)
2024年 0.39 中低相関期(賃料回復、金利正常化への調整)

注: この表は、AIが作成したものです。

💡 このデータの重要な示唆

  • 平時の分散効果: 2017年(0.28)のように、マクロ環境が安定している時期には、J-REITは株式とは異なる動き(低相関)をすることで、ポートフォリオのリスクを低減する効果を発揮していました。
  • 危機時の高相関(リスク): 2020年(0.78)は、グローバルな流動性危機により、J-REITが株式と同時に暴落する傾向が強まりました。この「高相関のリスク」は、分散効果が最も必要とされる局面で失われることを意味します。
  • 金利感応度: 2022年(0.62)のように、インフレや金融政策の引き締め懸念が高まると、REITの価格は金利リスクに敏感に反応し、相関性が高まる傾向が見られます。

株式よりはリスクは低い?

REITボラティリティが低い時期もありますが、REITレバレッジ商品である以上、特に金融危機金利上昇局面では、株式市場以上に大きな下落やボラティリティを示すリスクがあり、「株式よりリスクが低い」とは単純に言い切れません。

しかし、過去10年トータルで見れば、J-REITは安定しているといえます。

過去10年間の総合リターン・リスク指標(トータルリターンベース)

指標 J-REIT (東証REIT指数) TOPIX (東証株価指数) 考察される優位性
幾何平均年間リターン (%) 5.58 7.42 TOPIXが優位
年率標準偏差(リスク)(%) 9.73 14.86 J-REITが約 5% 著しく低い
シャープレシオ(効率性) 0.563 0.493 J-REITが効率性で優位

※ AI作成。上記は2015年〜2024年の過去10年間のトータルリターン(配当込み)に基づくデータ。

TOPIXはリターンは高いものの、リスク(標準偏差)が非常に高いため、リスク対比のリターン効率を示すシャープレシオでは、J-REITが上回るという結果が示されました。これは、J-REIT安定したインカム収益低いボラティリティが貢献した証左となります。

全般としてはリスクは低い

過去10年のデータは、J-REIT年率標準偏差(リスク)がTOPIXより著しく低いことを示しています。これにより、リスク調整後リターン(シャープレシオ)ではJ-REITTOPIXを上回るという結果が出ています。これは、J-REITが持つ「安定したインカム収益によるダウンサイド・プロテクション」機能の証左であり、少なくとも過去10年間のトータルでは株式よりもリスク効率が優れていたことを意味します。

REITの比重はどれくらいが適正? 全世界株式市場との規模を比較

REIT市場は「ニッチ」な存在です。全世界の株式市場の総時価総額に対して、REIT市場全体の規模はわずか約 1〜2% 程度にすぎません。

【世界の市場規模比較(概算)】

市場 時価総額(概算) 比率
全世界株式市場 80 兆ドル(約 12,000 兆円) 約 98%
全世界REIT市場 1.5 兆ドル(約 225 兆円) 約 1.9%

時価総額は変動するため、上記は特定の時点における概算値です。全世界株式市場の比率は、REIT市場規模との相対的な比較から算出しています。

この圧倒的な規模の差は、資産運用において以下の重要な示唆を与えます。

  • 投資の主役は株式: あなたのポートフォリオ「成長エンジン」や「リターンの大部分」は、巨大な全世界株式が担うべきであり、REITはあくまで補助的な役割を持つべきです。
  • REITは「特定のスパイス」: 規模は小さくても分散効果は期待できますが、その規模ゆえに、流動性リスクも考慮する必要があります。

REITのリスクを考える

REITと災害の関係

REITは現物の不動産を投資対象としているため、地震、台風などの自然災害による物理的な損傷リスクを直接負います。テナントの退去などによる収益性の長期的な低下にもつながります。

REITは「レバレッジ商品」である

これがREITの最大のリスクの一つです。REITは借入金で不動産を購入・運用しているため、金利が上昇すると、利払い費用が増加し、投資家への分配金が圧迫されます。金利の動きが、企業の業績以上にダイレクトに分配金に影響を与える構造を持っています。

SFチックに考える、オフィスは将来不要になるか?

現在のREITが抱えるもう一つの構造的な課題は、社会の変化による不動産需要の変化です。

テレワークの定着により、オフィスビルの需要は長期的に見て減少する可能性が指摘されています。また、商業施設もECの普及により価値が問われています。これは、REITが投資する不動産の「将来価値」そのものへの根本的な疑問を投げかけるものであり、物理的な価値の陳腐化リスクを内包しています。

もちろん、オフィス需要が減っても、データセンター、物流施設、ホテルなど他のセクターの人気が高まる可能性はあります。しかし、このセクター間のバランス変化は、TOPIXの動向とは独立したREIT固有の個別リスクであり、アロケーション戦略の複雑性を高める要因となります。

それでも大家業は歴史のあるビジネスであり、もちろんREITに意味がないとは言えない

REITには、不動産を小口化し、分散投資を可能にするという大きなメリットがあります。そして、大家業は人類の歴史を通じて存続してきた安定的なビジネスモデルです。REITポートフォリオにもたらす分散効果自体は、学術的にも有効であるとされています。

実際のJ-REITインデックスファンドの分配金の金額を確認する

REITの魅力は、その高い分配金利回りにあります。インカムゲインを現金として受け取りたい場合、ETFは有効な選択肢となります。

ETF(1343)の年間騰落率と分配金の実績(概算):10年間】

「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)」を例にとり、過去10年間のデータを比較します。(2015年〜2024年)

期間 株価騰落率(前年比, %) 100万円投資*の価額変化額 (円) 年間分配金(1口あたり, 円) 100万円投資*の年間分配金 (税引前, 円)
2015年 11.5% 115,000 72.5 33,346
2016年 -1.2% -12,000 70.8 32,568
2017年 5.8% 58,000 71.3 32,798
2018年 4.1% 41,000 72.8 33,484
2019年 18.3% 183,000 74.0 34,039
2020年 -16.93% -169,300 73.2 33,672
2021年 16.47% 164,700 70.5 32,430
2022年 -8.46% -84,600 71.8 33,028
2023年 -4.18% -41,800 75.0 34,500
2024年 -8.25% -82,500 82.9 38,134
10年間合計 - 171,500 734.8 337,999

* 価額変化額の注釈: 参照したサイトの「株価騰落率(前年比)」に基づき、100万円投資した場合の年末の評価額の変化を円で概算した値です。(10年間合計は、各年の変化額の単純合計です。厳密な複利計算ではありません。)

年間分配金の注釈: 「年間分配金(1口あたり)」は、参照サイト記載の年間分配金合計額(暦年ベース)です。また、「100万円投資の年間分配金」は、ETFが実際に投資家に支払った収益に基づいた参考値です。無分配型の投資信託では 0 円となります。

【計算結果(2015年〜2024年の10年間合計)】 100万円を投資した場合の10年間のトータル分配金合計額(税引前)は337,999円、トータル価額変化額(単純合計)は171,500円でした。このデータは、REITが高いインカム(分配金)を安定的に生み出しつつ、株価も長期的にプラスリターンを記録し、最終的なトータルリターンに貢献した状況を示しています。

まとめ:結局、REITを組み込むことは必要か?

良い点、悪い点を色々と見てきました。

60歳からの投資戦略を考える上で、私にとっては、REITを組み込むことによる分散効果のメリットは、金利リスク、レバレッジ流動性の低さといったREIT特有の複雑なリスクを負ってまで追求するほど重要ではない、という結論に至りました。

私の場合は、全世界株式のダイナミックなリターンと、低リスク資産による確実な生活費の確保というシンプルな二本柱で十分であると判断しました。

時価総額ベースで自動的にREITにも投資するインデックスファンドを利用すれば、それで十分という判断です。

【参考】主要な全世界株式インデックスファンドの比較

最後に、REIT組み入れの有無が異なる主要な全世界株式インデックスファンドを比較します。

比較項目 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・VT) 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
通称 オルカン 楽天・VT 楽カン
連動を目指す指数 MSCI ACWI Index FTSE Global All Cap Index MSCI ACWI Index
REITの組み入れ 時価総額に応じて組み入れる 時価総額に応じて組み入れる 時価総額に応じて組み入れる
対象銘柄の幅 大型株、中型株 大型株、中型株、小型株 大型株、中型株
信託報酬(税込・年率) 0.05775% 程度 0.132% 程度 0.0561% 程度