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60歳からの投資戦略:リタイア後の取り崩し戦略、オルカン100%の場合(検討編)

60歳からの投資戦略:リタイア後の取り崩し戦略、オルカン100%の場合(検討編)

前回は取り崩し戦略の概要を整理しました。今回は、それを踏まえた私自身の具体的なプランについて掘り下げてみたいと思います。

現在、私の新NISAを中心としたポートフォリオは「オルカン(全世界株式)100%」という非常に攻めた姿勢ですが、一方で生活費10年分(~20年分)という極めて強力な「現金の守り」を確保することが、この戦略を支える大前提となっています。

この「矛(オルカン100%)」と「盾(現金10年分)」の組み合わせは、投資理論でいう「収益率配列のリスク(Sequence of Returns Risk)」に対して、理想的な備えになると考えています。

オルカン100%と生活防衛資金の組み合わせの利点

1. 「10年間の無敵期間」を活用する

リタイア直後に歴史的な大暴落が来たとしても、10年分の生活費があればオルカンを一切売らずに回復を待つことができます。過去のデータを見ても、世界株が元の水準に回復するのに10年以上かかるケースは稀です。

  • 暴落時: オルカンには一切触れず、現金を使い切るつもりで静観。
  • 上昇時: 資産が増えた分を利益確定し、使った分の現金を補充して「常に10年分」を維持。

2. 「定率売却」との相性

10年分の現金バッファがあるなら、オルカンの取り崩しは「定率(年3〜4%)」で行うのが合理的です。すでに手元に十分な現金があるため、売却資金を急いで生活費に充てる必要がありません。増えた分をさらに次の10年分として厚くするのか、あるいは趣味や旅行などの「贅沢費」に回すのかといった、柔軟な判断が可能になります。

3. インフレリスクへの対応

注意すべきは、現金の価値が目減りするインフレリスクです。そこで、10年分のキャッシュのうち直近数年分以外を「個人向け国債(変動10)」などに移しておくことを検討しています。これにより、元本割れを防ぎつつ金利上昇(インフレ)にある程度追随でき、ラダーとしての強度が上がります。

10年単位の長期スパンで考える戦略

さらに一歩踏み込んで、10年単位という長期のバッファ戦略も選択肢に入ってきます。投資と年齢に本来は関連性はありませんが、60代、70代など10年ごとというのは人生設計において大きな節目です。10年単位で取り崩しを見直してみるというのは、タイミングとしてベストではないかと考えました。

1. 「10年ごとの一括補充」モデル

10年に一度、その時点のオルカンの時価を確認し、次の10年分の生活費を一括で利益確定(リバランス)します。

  • メリット: 日々の相場変動に一喜一憂する必要がありません。10年あれば、一時的な暴落も回復している可能性が極めて高く、運用の「勝ち」を確定させやすくなります。
  • デメリット: ちょうど10年目のタイミングが歴史的な大暴落と重なった場合、資産を減らした状態で売却せざるを得ないリスクが残ります。

2. 「ローリング(順次)補充」モデル

10年分の現金を「バケツ」に見立て、相場が良い時(例えば前年比+10%など)にだけ2〜3年分を利益確定して補充します。

  • メリット: 10年という厚い壁があるため、相場が悪い時は数年間「売却を休む」という選択が余裕を持って行えます。

3. 税金の最適化

10年に一度、多額の利益を確定させると、特定口座の場合は税金や社会保険料の負担が跳ね上がる可能性があります。新NISA枠を優先的に活用しつつ、特定口座分については数年に分けて売却するなど、出口の「税金コントロール」も併せて考えておきたいポイントです。

以前のリバランス不要論との関係(という名の言い訳)

ここで「以前、リバランス不要論を書いていたじゃないか」という声が聞こえてきそうです。確かに、「資産比率を一定に保つ必要はない」という持論を展開してきました。

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今回の戦略は、一見すると比率を調整するリバランスのように見えますが、実はその思想は一貫しています。

一般的なリバランスが「ポートフォリオの形を整えるためのメンテナンス」だとすれば、私の今回の戦略は「生活という実需に基づいた計画的な収穫」です。資産の○%を何かに戻す、といった「比率」の呪縛には依然として興味がありません。見ているのは「あと何年分の生活費がキャッシュバッファにあるか」という「バケツの量」だけです。

結局のところ、市場の気まぐれに左右される資産比率などよりも、「自分がいつ、どれだけの資金を使いたいか」という自分の意図こそが大切なのです。

リバランス不要論を貫くためにも、10年という圧倒的な「現金の盾」が必要だった――。そう解釈していただければ、以前の記事との矛盾も(私の中では)綺麗に解消されます。

まとめ

この「オルカン100% + 10年キャッシュ・ラダー」という布陣は、高い収益を期待できる運用と、心の平安を両立させる、一つの完成形ではないかと感じています。

もちろん、状況に応じて戦略を練り直す柔軟性は保ちつつも、この強力な「盾」があるからこそ、攻めの運用を最後まで完遂できる。そんなリタイア生活を目指していきたいと考えています。

次回は、この実践モデルをベースに、具体的に利用できる証券会社のサービスを調べ、さらにもう一段、詳細化を計りたいと思います。